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8時半。泊めてくださり、通訳として同行もしてくれたNさん宅のお子さんを車で幼稚園に送り、そのままジャンヌ・ダルク生誕の村、Domremy-la-pucelle(ドンレミ・ラ・ピュセル)にあるNEX(ネクス)工房を目指す。 田園風景が続く道の先に見えてきた ドンレミ=ラ=ピュセルの看板にテンションが上がる。 まるで絵葉書みたいな風景。 ジャンヌダルクの生家。ドンレミ=ラ=ピュセル はとても静かで小さな村で、お天気がイマイチだったせいか村を歩いている間、他の誰にも会わなかった。 NEXは家族経営の工房で、フェーヴの製造は1993年から始まった。工房を作ったのは 現在の経営者であるクリステルさんの父、ローラン・ネクス氏。私が訪れたときはヴァカンスで留守だったが、元々ファイアンス製の焼きものをつくっていた職人で(ロレーヌ地方はファイアンスブルーと言うブルーの地にアザミの絵のお皿が有名である)、絵も描くアーティストだ。 1990年代のはじめ、世の中でPINSが流行していて、彼はこれを焼きものでつくってみようと思い立ち、ジャンヌダルクのPINSを作った。妻のアンドレさんがこれを見て「フェーヴにしてもいいのでは?」とアイディアを出したため試作をし、隣町のブーランジュリーに持っていったところ人気が出た。 最初は1年に1シリーズ(最初のコレクションはジャンヌダルクモチーフ)、それが2シリーズになり、現在では1年に8シリーズを発表する。年間製造数は平均約5万個。「フランスで1年に作られるフェーヴの数からしたら水の1滴くらい」だというが、1年中働いて出来る数の上限がこの数なのだ。それはすべてを自分たちの手で行っているからである。 クリステルさんは95年から工房で仕事を始め、姉のミュリエルさんは99年から手伝い始めた。2005年に工房は彼女たちの代に引き継がれた。とても忙しい時はアルバイトを雇うが、基本的にふたりだけでつくっている。妹のクリスティンさんが代表で、ミュリエルさんは作る専門。私が訪れたときは2011年のデザインを考えているところだったが、これには父のローランさんが今でもよく口を出すのだと言う。その理由は、彼はフェーヴがとても好きだから。ちなみに代替わりしてからは食器は注文に応える程度で、もうあまり作っていなくてフェーヴが主である。 焼く工程は次の通り。 (1) 素焼き 1000℃~1020℃(8時間) (2) 色付けをして、エマイユをつくって塗る。エマイユは「本当のエマイユ」と言っていた。これは仏国内でもあまりないと思って誇りに思っているそう。エマイユの濃さもしっかり調整する。濃すぎると空気が入ってしまうし、ゆるすぎると色が溶けてしまう。あわてていたり、気分が乗らない時にすると、そんな失敗もある。塗り終わったら焼く。960℃~980℃(8時間) (3) 金をつけるときはもう一度焼く。金は本物の金を液状にしたもの。 NEXはプリントのテクニック(クロモ)は一切使わない。必ずひとつずつ筆で色をつける。また、LONGWYのエマイユを使ったものは、色と色との間に黒い線を入れて、色が混ざらないように工夫している。 私はNEXのフェーヴを見るたび、その品質の高さと強い魅力を感じずにはいられないのだけれど、実際彼女たちからも、自分たちは一流のフェーヴを作っていると言う誇りを強く感じた。二人とも、自分たちはフェーヴが好きだから作れる限り作っていくのだと語ってくれた。 また、品質が一流なだけでなく、NEXのフェーヴには独創性があると思う。上写真の2010年のニワトリの間違い探しシリーズはちょっと他で見たことのないアイディアだなあと思った(ちょっとずつ違うところがあるのです)。「きっと2~3年後にはみんな真似して他でもいっぱい出回るわよ」と言っていたが、これを最初に考えたのがNEXであることを肌で感じられたのは、私にとってとてもうれしいことだった。また、特許を申請中の別件もあった。 帰りにお店で、Maison Thisのフェーヴを見つけてとっても可愛かったので記念に買おうか迷って他のにしたのだけれど、このあと「こっちを買っておけばよかった!」と思うことになる。 ~2009.10.2.後編に続く~
by mycharm
| 2011-12-05 09:21
| フランスの旅
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