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5:00起床。この日はフェーヴ製造会社・Prime(プリム)の社長にインタビューするため、パリ東駅で通訳さんと待ち合わせて7:11発のTerに乗りVesoul(ヴズル)を目指す。 ※以下、ちょっと長文で専門的な内容ですが、ページが足りなくて&マニアックすぎて本に書けなかったので、ここにまとめて記録してみちゃいます。 プリムはフランスの大手製造会社のうちのひとつ(Prime, Alcara, Arguydalが三大大手)で、フランシュ・コンテ地方のFaverney(ファベルネ)に1989年に設立された。初期にはセラミック製でプラットなタイプのフェーヴを製造していたが、1993年から新しい技術を導入。ポースレンを使うようになり品質が向上した。現在は毎年約1,500万個のフェーヴを製造している。社名のPrimeは特別手当とかボーナス、おまけと言う意味。ブザンソンの少し北、パリからTerで3時間20分ほどのヴズル駅からさらに車で20分ほどのところにある村がファベルネだ。周囲には田園風景が広がる。 フェーヴのデザインは2年前に決まる。その後思索をして修正を重ねる。私が訪れた時はデザイナーのジャックさんが2011年コレクション用のマリリン・モンローの写真をパソコンで加工している最中だった。彼女の写真は白黒が多いので、雰囲気が出るように色を考えてつけるのだそう。もちろん手書きでデッサンをすることも。その場合、立体的にしたときにどのようになるかもわかりやすく書くのだそう。製造するフェーヴのテーマは皆で決めるが、決まった時点で一人が担当になり進めていく。一度担当になったら最後まで人に引き継ぐことなく責任を持つのだそう。そしてジャックさん以外の外部の人がデザインを担当することもある。それは、ずっと同じ人が書いているとテイストがかたよってしまうので、いろいろな分野・トーンで魅力的なフェーヴを作り続けるための配慮である。 パン屋さんやケーキ屋さんのオリジナルフェーヴに関しては、シルヴェール・リシャールさんが担当。パン屋さんからの要望を聞いたり、プリム側から提案したりもする。店のオリジナルフェーヴを注文するということは個性を求めているということなので、それに対応できるよう常にクリエイティブな姿勢で取り組むのだそう。2010年は日本のブーランジェからの依頼でお菓子形のものを作ったし、パリの超高級レストラン、トゥール・ダルジャンのオリジナル・フェーヴも毎年作っている(左写真)。鴨が看板料理のトゥール・ダルジャンならでは(供した鴨一羽ずつに番号をつけている)の魅力的なフェーヴで、レストランに行ったことはもちろんないけれど、フェーヴは所有している私です。 クリエイティブ部の責任者であるミッシェルさんは、大型スーパーとのやり取りや(大型スーパーでは事故が起こらないよう、アーティスティックなものより安全な形が求められる)、ライセンス関係のやりとりを行う。既に2010年4月に公開予定の映画のフェーヴ(2011年モデル)のパネルを準備していた。 メリアムさんはパン屋さんやケーキ屋さんに対して営業する係。プリムの取引相手は(1)パン屋・お菓子屋 (2)大型スーパー (3) 卸 の3つに大きく分かれるが、(1)に対して新しいモデルを持っていく。大体毎年150シリーズ(うちライセンスものが50シリーズくらい)リリースされるが、それらを持ち運ぶトランクも見せてくれたが、なるほど、とてもよく出来ていた。 プリムのフェーヴは、石膏型を組み合わせて使うことで複雑な形を出している(それによって壷などの穴が開いているタイプのフェーヴも作ることが可能)。多い時で8つの型を組み合わせている。石膏型ひとつにつき、500個くらいのフェーヴを作れる。焼くと縮むため、仕上がりの大きさを計算して型を作る(左写真はプラットなタイプのものだが、左が焼成前、右が焼成後)。 工場にはポースレンの粉を土にする機械やプレスマシーン、釜などが並んでいたが、現在ではここで製造を行うのは3ヶ月ほどで、ごく一部のフェーヴのみ。プレスマシーンには金属製の型(下写真3列目左)を取り付けて使用する。電気とガスの釜はとても大きく、冷ますために電気は14時間、ガスは8時間かかるが、アジアの製造工場ではもっと大きなロールして焼くタイプの釜を使用しているので、そちらは5時間で仕上がるとのこと。 焼く工程は次の通り。 (1) 素焼き。800℃前後 (2) ハンドペイントをして、エマイユをかけて焼く。クロモ(プリント)の場合もここで手作業で敷く。1200℃。高い温度で焼くことで、硬く丈夫なフェーヴが出来上がる。 (3) 金をつけるときはもう一度焼く。 さて、プリムの特徴としてシュメール氏が挙げるのは、フェーヴを飾るための棚や箱、ポースレン製のディスプレイアイテムも作っていること(一点ものもあるし、パン屋さんの店頭に飾るためなので、製造数は少ない)。また、パン屋さん向けにガレット袋や王冠をセットにして出荷もしている。 彼は「パン屋さんに売る」ということにこだわっていると言う。コレクターの人とも親交を深めたいと考えているが、コレクターはやはり珍しいものを探すので、ガレットから出てきたという過程をスキップしてフェーヴを売ってしまうのはパン屋さんに失礼だと思うからだ。「フェーヴだけを売ったらPrimeという社名を変えなくてはいけない」と彼は言う。よって、前経営者の時にあったコレクター用の窓口的な場所“プリム・コミュニケーション”はもうない。 昼食をご一緒したが、シュメール氏はバリバリのビジネスマンタイプなのかな、と感じられた。8時に出社して昼食は1時間ほど、6時頃まで働くと言うのは日本では普通だけれどフランスにしては長時間な気がするし(フランスの方、誤解だったらゴメンナサイ)、プリムを買収したのは「向いていると思ったから」とのことだし、新しい様々なことに貪欲にチャレンジしているからだ。ここには記さないが、社長室に置かれていた面白い試みがなされた試作品の数々からもそれがうかがえた。 行きも帰りも自ら駅まで車で送り迎えしてくださり(とても紳士的な方)、帰りにお土産までいただいた。それを入れてくださったプリムの紙袋に“Groupe JOFLOMYS”と記載されていたのでそれについて尋ねたら、3人のお子さんの頭文字を取って名付けたのだ、と話してくれた。素敵なエピソードを聞けて嬉しかった。 +++ 夜、パリに戻る。この日は友人宅に泊めてもらうことになっていたのだが、歌詞の直しが入り、友人宅から近いネットが使えるホテルを急遽探して0時頃チェックインして明け方まで仕事。人生で1,2を争うくらい眠かったです(笑)。
by mycharm
| 2012-01-20 03:07
| フランスの旅
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Comments(2)
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