フェーヴを巡るフランス旅記録2009 #8 Strasbourg

#8　2009.09.30.後編　Strasbourg

～2009.09.30.前編からの続き～

さて、Keller氏と共に訪れたスフレンハイム村は、アルザスで売っているクグロフ型やベックオフの鍋のほとんどを作っている村で、多くの工房がある。どこを見たいか聞かれたので、「製造過程を見たいのと、 アニョー・パスカルの型を買いたい」と言ったら、工房を見学できるお店に連れて行って下さった。
そこはかなり大きな工房だったので、(1)プレスのマシンで型を取り、(2)形を整え、(3)色をつけ、(4)エマイユをかけて、(5)1100℃で8時間焼く　という工程がコーナーに しっかり分かれて分業されていた。デザインは工房によって異なるが、伝統的な柄は花で、ハートや水玉はモダンなデザインである。マシンを使わず轆轤を使ってつくる工房も村にはあるという（そちらが伝統的な作り方）。
とても美しい村だった。観光案内所（写真中央）で、村の工房が印されている地図をもらうことができる。写真右は、個人的にいちばんツボだったお店の看板。可愛い！
いろいろと見ているうちにアニョー・パスカル型を見つけたので買おうと思って手に取ったら、Keller氏が「これはあまりつくりがよくないから液が漏れてくると思う。もし実際に焼くならこれはやめたほうがいい」とアドバイスしてくれた。さすが 、元パン屋さん！別のお店で「これは大丈夫」というものを買ったけれど、日本に送ったら超高額の送料に…ひゃー！日本でこの型が高く売られている理由がよくわかりました…。 復活祭の時にはmilky popさんにアニョー・パスカルを焼いて欲しいなあ（←他力本願。私、お菓子は誰かがつくった素晴らしいものを食べるのが好きなんです）。

スフレンハイム村を満喫した後は、ベッチドルフ村へ。
こちらは動物や果物の模様が多く、青っぽい陶器。青だけでなく緑やオレンジ色もあるにはあるけれど、焼いたときに色がどう出るかわからないため（青はかならず青くなる）主流ではないのだそう。スフレンハイムでは食べものを焼くための陶器を作っていたが、こちらは食べものを保存するための陶器を作っているのが特徴だ。
見学した工房は村の入り口にあり、現在6代目。土は近くの森の中、地下4メートルのところから掘られる。轆轤でかたちを作り、OXYDEを使って絵を描く。エマイユは釉薬でなく、料理用のふつうの塩。岩塩でも可だが、その場合乾かすのに時間がかかってしまう。すべての材料がオーガニック（という表現をしていた。自然の物を使っている、という意味だと思う）なのが特徴である。1250℃で20時間焼く。

夜はおふたりの行きつけのレストランに連れて行ってくださった。クネルが美味しかった！

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本日10月24日付の読売新聞に『フェーヴ　お菓子の中の小さな幸福』の書評を掲載していただきました。ありがとうございます！