#7 2009.10.7.後編 Aubagne
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2009.10.07.前編からの続き~
アーガイダル取材を終え向かったのは、同じオーバーニュにあるLe Moulin à Huile(ル・ムーラン・ア・ユイル)工房。ル・ムーラン・ア・ユイルのフェーヴ製造については、『フェーヴ お菓子の中の小さな幸福』P91-92にまとめたので、ここでは載せ切れなかった写真と、サントンについて記そうと思う。
教会では、クリスマスにクレッシュと呼ばれるイエスの誕生を再現した模型を飾る習慣があった。文字が読めない人々に説明をするためで、その歴史も古い。しかしフランス革命の時代にあらゆる宗教活動が禁止された際、家でお祈りできるようプロヴァンスの家庭でクレッシュのミニチュアが飾られるようになり、そこに飾る人形がサントン(小さな聖人の意)である。サントン人形は18世紀のプロヴァンスの人々がモデルになっている。ル・ムーラン・ア・ユイルは1991年よりフェーヴの製造を開始したが、追ってサントンも製造するようになり、現在は半々くらいの割合である。
工房(上写真)には歴代のフェーヴやサントンが飾られている広いミュゼ(下写真)とショップが併設されている。どちらも非常におおらかな雰囲気。
この日は経営者のパトリス・ジャルク氏に話を聞くことができたが、前述の私の寝坊により猛烈に時間がなくなってしまい(17時半にはすべてが閉まるので、17時ごろから片付けムード)、フェーヴ製造についての取材で精一杯で、ミュゼやショップ(下写真)はほとんど流し見ただけに…。南仏はまたいつか訪れたいので(願わくはヴァカンスで…)再訪したい場所のひとつ。
通訳をしてくださった方とお茶をして南仏のパンデロワのお話などを聞き、20時頃ホテル着。サブウェイのサンドウィッチをかじりながら仕事をしたような…うっかり寝落ちたような…あいまいな記憶ですがとにかくエクスの夜は更けていったのでした。