ガレット・デ・ロワ記録をしたためていたら、どうにもまた食べたくなってしまった(中毒?)。しかしこんな季節外れに売っているわけもないので、普段はほとんどお菓子をつくらない私だけれど、自分で焼いてみた。
焼けるのを待つ時間には、何ともいえないワクワク感がある。オーブンから香ばしい香りが漂い、徐々に焼き色が付いて膨らんでくるのを見ていたらどうにもうれしくなってしまい、お菓子づくりのよろこびをちょっと知ってしまったような気分。
焼きあがったガレット・デ・ロワは、端がすこしめくれてしまったし、見目はそんなによくないけれど、私がつくったにしてはまあまあの味だった。(もちろん<焼きたて>という下駄をはかせて)。
まずは一切れ…と切り分けて食べはじめたら、早速フェーヴを発見。私は何故か結構な確率でフェーヴに当たる。
以前『世界の菓子』という専門誌でガレット・デ・ロワ特集があった時(1999年11月号)、その中で、オーボンヴュータンの河田シェフが<大切なのは、必ず丸く平たい形に成型し、生地を浮かせてはいけないということ。 それが「ガレット」と名のつくお菓子の条件であるからです>と書いていらっしゃるのを読み、私は生地が浮いていないガレット・デ・ロワが好きだからなんだかうれしかった。日本で売っているものは中に空気の層があって膨らんでいるものが多い気がして、それを不満に思っていたから。
でも、自分でつくってみるとわかる。素人仕事では膨らんでしまうのだ。私のガレット・デ・ロワにも、しっかり、厚い空気の層が…。
ああ、ますます薄いガレット偏愛主義になってしまいそう。そしてガレットづくりに、ちょっとだけはまってしまいそうな予感。