トマトや茄子、きゅうりなど華やかな夏野菜たちが終わったミニ畑に、フェーヴ(そら豆)の種を蒔いた。豆類は好物なので(この夏は枝豆を毎日大量に食べていた)育てるのが楽しみ。あわせて、夏の間放置していた庭を、秋冬仕様に模様替え。
さて、ガレット・デ・ロワに入れるフェーヴは何故フェーヴ(そら豆)と呼ぶのかというと、昔は乾燥したそら豆をガレットに入れていたので、それが陶磁器製になった今でもフェーヴと呼ばれているのだそう。故に、“フェーヴ型のフェーヴ”にはとても魅力を感じる。
上写真の茶色が蒔いたそら豆の種で、白が陶器のフェーヴ。そら豆に顔が付いたフェーヴ(haricot avec bébéとかharicots avec têtes、visageなどと呼ばれる)は、フェーヴの最初の時代から見られるモチーフ(1897年のカタログにイラストが残っている)。
横から見るとこんなふう。私がもっているこれらのフェーヴの詳細な年代は残念ながらまだ確定できていないので(フェーヴの年代を見分けるのはとても難しく、若輩者の私がいいかげんなことも書けないので…)、11月にパリのサロンで専門家の方に逢えたら質問してみようと思っている。
左のフェーヴには、靴モチーフによく見られるような色鮮やかな模様がペイントされているのだけれど、
『Des fèves @ tout prix』によると、そら豆型のフェーヴは一部の売り手が珍しいモデルを模倣し色を付加(リペイント)されたことがあるらしいので、もしかしたらこれはそのリペイントされたものである可能性が高いのかも。
そうそう、ミニ畑はそら豆のほか、シソ、パセリのコーナーに。部屋から見えるいちばんいい場所には、アンティークカラーのビオラを煉瓦に沿って植える予定でスペースを空け、その奥には、昔室内でCDを入れるのに使っていた木のラックを台にして(高さを出すためと鉢底からの虫の侵入を防ぐため)、小さなミモザやブルーベリーなどの鉢物、来年に向けて着々とランナーを伸ばしているワイルドストロベリーのプランターを並べた。すっきりしてすこしさみしくなった庭で、緑のバッタがぴょんと跳ねて、秋を知らせる。
知れば知るほど、調べれば調べるほど奥深いフェーヴの世界。庭のフェーヴ(そら豆)が成長する頃には、もっと知識を深めていたいとしみじみ思ったのでした。